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慢性疲労症候群の正体(私の場合)(2)gAchR抗体にたどり着いた経緯

さて、私はいわゆる典型的なギランバレー症候群のような強烈な脱力やしびれはない。AAGのような症状は一部あるが、そうでない部分もある。私はこれまで複数の専門医から「慢性疲労症候群」と診断されている。一番困っている症状は頭痛と強い倦怠感だが、そこには重度の「起立性頻脈(POTS)」がおきていると、数年かけてようやくたどり着いた。

また他の症状として、首から胸の後ろまで背中の筋肉が異様に張って呼吸が苦しい、光や音がつらい、脱水しやすくトイレが近くなった、風邪がうつりやすくなったなど、単に脈拍の乱高下だけではない問題を抱えている。要はPOTS型の慢性疲労症候群である。
さらに抗核抗体が高値であることやシェーグレン症候群である事も判明している。

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POTSに対する薬の処方は、まずミドドリンやβブロッカーがよく言われている。(*4)まずはこういった循環器の薬(メトリジンやインデラルなど)を順番に試した。しかしこうした薬では、数値では起立性頻脈がおだやかになっても、身体そのものは全然ラクにならないと感じた。

そこで次に、処方リストでは優先順位が高くないピリドスチグミン(メスチノン)を試すことになった。(*4)(*5)
メスチノンは通常、自己免疫性の神経疾患である「重症筋無力症」で使う薬である。またさまざまな神経難病でも使用する。
メスチノンを服用すると、脈拍数はさておき、首から胸の後ろまでの背中の筋肉の張りが減り、息をするのがラクになって効果を感じた。

またPOTSの処方リストでは取り上げられることが少ないが、CFSにおける起立不耐性の処方リストに一部入っている抗利尿ホルモン(ミニリンメルト)も試すことになった。(*5)こちらも起立性頻脈がおだやかになるとともに、身体がいくらかラクになる効果を感じた。

こうした結果から、起立性頻脈はあくまで結果であり、根本的には神経、免疫、内分泌の総合的な働きの中で問題が起きているだろうと推測することができた。このような話は慢性疲労症候群に対する見解の中でもよく言われていることである。

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次に「POTS」「メスチノン」にしぼって調べた。するとPOTSの10-15%(文献によっては25%程度)はgAchR抗体という抗体を持ち、ピリドスチグミンが効果が出るという情報を得た。(*6)
なおPOTSはもともと多種類の原因が言われていて、10-25%という数値は小さくも大きくもないと思われる。(*7)

私は抗核抗体陽性やシェーグレンがわかっていたこともあり、そもそも以前からなんらかの自己免疫疾患ではないかと疑っていたので「もしかしてこれでは?」と思い、gAchR抗体を検査するに至った。

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gAchR抗体が陽性とわかり、次のステップでは治療方法の検討となる。メスチノンやミニリンメルトを継続する以外には、免疫グロブリン療法(IVIG)、ステロイド、抗がん剤(リツキシマブ)などが選択肢であり、第一の選択肢はIVIGであると知った。
7年かけてようやく病気の正体がわかり、治療のヒントが得られたことは、大変ありがたくほっとしている。ただ治療方法は手ごわいものばかり。これからゆっくり考えようと思う。

(*4)Postural Tachycardia Syndrome: A Heterogeneous and Multifactorial Disorder

(*5)Treating Orthostatic Intolerance in CFS: Drugs

(*6)Autonomic Ganglia: Target and Novel Therapeutic Tool

(*7)Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome

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