筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)では以下のような症状が現れます。
主な症状
発症前は可能だった日常的な活動(仕事、学校、日常生活など)の能力が著しく損なわれている
・疲労倦怠感を伴い、6カ月以上続く。
・通常の疲労とは全く別物である。
・この疲労倦怠感は、重症であることもあり、過負荷な活動のせいではなく、睡眠や休息で回復せず、発症以前には無かったものである。
労作後倦怠感(post-exertional malaise, PEM)
・発症前にはなんともなかった身体的・精神的活動で、ME/CFSの症状が悪化する(クラッシュと呼ばれるもの)
・労作後倦怠感の間、思考力低下、睡眠障害、喉の痛み、頭痛、重度の疲労感などのME/CFSの症状悪化や症状出現がある。
・回復には数日、数週間、それ以上かかることがある。外出困難や寝たきりになることがある。労作後疲労感をひきおこす要因やその期間を、患者が予想することがむずかしいことがある。
睡眠障害
十分な睡眠をとっても、体調が良くならない。入眠や睡眠に支障が出ている。起きた時に、寝る前と同じような疲労倦怠感があるなど。
また少なくとも下記いづれかの症状
思考力低下、記憶障害(ブレインフォグ)
起立や座位で症状が悪化する(起立不耐症)
他のよくある症状
以下はよくみられる症状です。
・筋肉痛
・関節痛(腫れ・赤みなし)
・頭痛(新たに現れたり、悪化した症状として)
・首やわきの下のリンパ節の圧痛
・喉の痛み
・IBSなどの消化器症状
・悪寒・寝汗
・アレルギーや過敏症(食べ物、香り、化学物質、光、音)
・筋力低下
・呼吸困難
・異常心拍
診断について
「診断基準」をご確認下さい。
関連する病気について
ME/CFSは全身にさまざまな症状を呈することが多いですが、まだ特効薬がありません。「関連する病気」があてはまる場合は、その治療で症状が軽くなることがあります。「関連する病気」をご確認下さい。
臨床医のための手引書
ME/CFS研究班が、国際ME/CFS学会編「臨床医のための手引書 2014年版」 日本語翻訳を掲載しています。
医療従事者向けツールキット
米国CDCが、ME/CFSの主な評価項目、主な症状などをPDFにまとめています。
https://www.cdc.gov/me-cfs/healthcare-providers/toolkit.html
参考:Symptoms of ME/CFS | ME/CFS | CDC
(更新日:2022‐01‐19)