筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は、これまで健康に生活していた人が突然、強烈な全身倦怠感に襲われるようになる病気です。休息をとっても回復せず、通常の日常生活が著しく困難になります。

また微熱や頭痛、筋肉痛、脱力感、集中力や思考力の低下など、さまざまな症状があらわれ、長期間にわたって続くことが多いのも特徴です。

ME/CFSは一般的な慢性疲労とは全く別物であり、全身の多くの臓器系に影響を及ぼす実在の身体疾患(生物学的疾患)です。正しい理解に基づく診療・支援が求められています。

主な特徴

  • 活動能力の大きな低下: 発症前と同じように活動することが難しくなります。この活動能力の低下は6ヶ月以上続き、休息をとっても改善しない深刻な疲労感を伴います。
  • 労作後倦怠感(PEM): 身体的、精神的、認知的な負荷の後に症状が大きく悪化し、回復に長期間(24時間以上、時には数日から数週間)を要することがあります(クラッシュと言います)
  • 入浴や食事の準備といった日常生活の動作が出来なくなることがあります。
  • 就労・就学・社会参加が難しくなります。
  • 症状が長期にわたり持続し、深刻な障害に至ることがあります。
  • 日本国内のME/CFS患者の約3割は、寝たきり、またはそれに近い状態で介助を必要としています。米国CDCの報告でも患者の約25%が病気の経過のなかで寝たきりの状態を経験するとされています。

病気の原因と診断について

治療や支援について

  • 現時点では特効薬がないため、患者の生活に最も悪影響を与えている症状​に応じた、適切な治療・療養を行い、活動の限界を超えないようにする活動管理(ペーシング)​を行います。社会的支援​も欠かせません。治療方法の開発が急務です。
  • 疾患に対する知識を持つ医師が不足しており、専門医が非常に限られています。長期間にわたり未診断や​、「気の持ちよう」「病気になりたいだけ」「身体はどこも悪くない」などの誤解が続くケースが多く、診療体制の整備が急務となっています。
  • 厚生労働省が実態調査を行い、結果が報告されています。
  • ME/CFS研究班が、国際ME/CFS学会編「臨床医のための手引書 2014年版」 日本語翻訳を掲載しています。
  • 病気を理解しやすいまんが、書籍、アプリを患者さんが作って下さっています。

参考:
ME/CFSの基礎知識(米国CDC)
すぐわかるME/CFS(米国CDC)
ME/CFSの臨床概要(米国CDC)
日本医療研究開発機構(AMED)障害者対策総合研究開発事業 神経・筋疾患分野「慢性疲労症候群に対する治療法の開発と治療ガイドラインの作成」研究班
厚生労働省「慢性疲労症候群の日常生活困難度調査事業」(H26)

(更新日:2026-07-06)