筋痛性脳脊髄炎 / 慢性疲労症候群(ME/CFS)は全身にさまざまな症状を呈することが多く「関連する病気」を確認することは大切です。
以下の病気を疑うような症状がある場合は、ME/CFSの主治医に相談、または該当の病気を診れる医療機関での診療で、少しずつでも症状を軽くできることがあります。
「国際的合意に基づく診断基準(2011年)」に示されている併存疾患
線維筋痛症 |
全身の様々な部位に慢性、移動性の激しい痛み (参考) ・リウマチ情報センター:線維筋痛症 ・線維筋痛症学会:医療機関をお探しの方へ |
筋筋膜性疼痛症候群 |
筋肉を痛める原因がないのに酷く慢性的な筋肉痛 (参考)筋筋膜性疼痛症候群(MPS)研究会 |
顎関節症 |
口が開きにくい、ずれた感じ |
間質性膀胱炎 |
頻尿、尿意切迫感 (参考)快適な排尿をめざす全国ネットの会:間質性膀胱炎 |
レイノー現象 |
寒冷時に手指が蒼白くなり次第に紫色に (参考)メイクマニュアル:レイノー現象 |
僧帽弁逸脱症 |
自覚症状が無い事が多いが、頻脈、不整脈、胸痛、息苦しさ、めまいなどが出ることがある (参考)メイクマニュアル:僧帽弁逸脱症 |
偏頭痛 |
アレルギー |
化学物質過敏症 |
微量の薬品や化学物質により粘膜や皮膚の炎症など (参考)化学物質過敏症支援センター |
橋本病 |
首の腫れ、むくみ、体重増加など (参考)伊藤病院:橋本病 |
シェーグレン症候群 |
目や口の乾燥、疲れやすいなど (参考)シェーグレン症候群情報サイト |
反応性うつ病 |
上記以外の併存/類似の疾患
脳脊髄液減少症 |
症状:起立性頭痛など ME/CFSと類似・共通する部分のある病気と言われています。 物理的に髄液が漏れ出している場合、これを止める処置を検討する必要があります。該当する症状があり、髄液漏れが見逃されている可能性がある場合は脳脊髄液減少症を診察できる病院を受診しましょう。 (参考) ・CSF Japan:脳脊髄液減少症とは ・山王病院 脳神経外科 Dr高橋浩一:脳脊髄液減少症 ・脳脊髄液減少症を知っていますか Dr.篠永の診断・治療・アドバイス(Amazonのページにリンクします) |
起立不耐症 |
症状:頭痛、息切れ、めまいなど 最近はME/CFSの症状の一つと見なされています。(*1)髄液漏れがない起立性の症状が強い場合、こちらもご確認ください。 体位性頻脈症候群(POTS)や起立性低血圧(OH)などがあります。日本では小児の起立性調節障害がフォーカスされがちですが、海外では成人にも起立不耐症が現れると認識されています。 起立試験を2、3分の短時間で行ったり、寄り掛かった状態で行うと、正しく評価できない事があります。ご注意ください。 (参考) ・慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)と循環器異常(三羽邦久先生) ・POTS and Dysautonomia Japan ・Orthostatic Intolerance(Mepedia)(英語) |
睡眠障害 |
症状:夜眠れない、朝起きれないなど こちらも最近は、ME/CFSの症状の一つと見なされています。(*2) 他症状が原因で睡眠の質が悪いというより、睡眠障害そのものの症状が強い場合は、睡眠障害の治療も検討するとよいでしょう。 (参考)NCNP:睡眠障害外来 |
副腎疲労症候群 |
症状:午前中の体調が極端に悪い 朝のコルチゾールの分泌が不足しているために朝起きれない状態です。(一方のうつ病ではコルチゾールが多く分泌されていると言われており、朝起きれないという症状は同じでも内分泌的には真逆の状態と言われています) (参考)アドレナルファティーグ |
遅発性フードアレルギー |
症状:アレルギーのある食事をとると、数時間後や翌朝に体調悪化 (参考)遅発性フードアレルギーナビ |
(*1) 米国医学研究所(IOM)提唱の診断基準(2015) (*2) 国際的合意にもとづく診断基準(2011)【B】神経系機能障害 |
注意:一部、医療機関のホームページを示しましたが、参考情報として掲載しています。特定の医療機関を薦める意図はありません。